hear と listen、 take と bring、それぞれ「聞こえる」、「聞く」。「持っていく」、「持ってくる」などと一般的に日本語では訳しますが、その日本語訳をそのまま英文にあてはめてしまうと間違った使い方をしてしまうことがあります。
これは日本人と欧米人との感覚の違いによるズレがあり、私たち日本人は学校で習った単語の訳を思い込みでそのままあてはめてしまいがちだからです。
今回は使い方を間違えやすい単語、 hear と listen や take と bring などについて解説していきます。
「hear」と「listen」のちがいは
― 「ヒアリングテスト」は listening test ―
hear、listenは日本語だとそれぞれ「聞く」と訳しますが、英文だとどうなるでしょうか、hearは「(自然に)聞こえる」、listenは「(意識的に聞こうとして)耳を傾ける、聴く」という意味になります。
例文
I listened hard, but heard nothing.
耳を澄ましたが何も聞こえなかった。
Can you hear me ?
(電話などで)聞こえますか?
He was listening to jazz on the radio.
彼はラジオでジャズを聞いていた。
I hear that she has recently got married.
彼女は最近結婚したそうだ。
英語学習でいう日本語の「ヒアリング」は、英語では「listening」といいます。「hearing」は「聴力」や「聴聞会」の意味になります。たとえば、次のように使うことができます。
He is hard of hearing.
彼は耳が遠い。
― 「見る」は「see」か「look」か ―
hear、listenと同じような関係は「see」と「look」にも見られます。
seeは「見える」「視覚に映る」という原義で、lookは「(見ようとして)見る」「視線を向ける」というのが基本的な意味になります。
例文
He can't see anything without his glasses.
彼はメガネがないと何も見えない。
Look at the blackboard, everybody.
皆さん、黒板を見てください。
また、「watch」は、「(動くものを)見る」または「(警戒心をもって)見る」時に主に使う言葉で、その他にも「gaze」や「stare」は「じっと見つめる」という意味になります。
例文
She is always watching TV at home.
彼女は家でいつもテレビばかり見ている。
Watch my suitcase.
私のスーツケースの番をしていて。
Watch your weight.
太らないように気をつけてね。
間違えやすい「take」と「bring」
先に紹介した「 hear 」と「 listen 」の使い方と同じように、「 take 」と「 bring 」の場合も単語の訳そのままの思い込みによるズレがあります。
― take =「連れていく」、bring =「持ってくる」なのか ―
takeはふつう「持っていく、連れていく」、bringは「持ってくる、連れてくる」と訳される。つまり、take =「(自分が何かを)持っていく」で、bring =「(相手が何かを)持ってくる」という固定観念で使っている人が多いと思います。
ところが、「(相手の所へ)持っていく、連れていく」場合にも「bring」が使われたりします。例えば、次のような英文がつくれます。
例文
Can you bring me something to eat ?
何か食べるもの持ってきてくれる?
Well, I'll bring some sandwiches for you.
じゃ、サンドイッチを持って行くよ。
We will have a tea party tomorrow afternoon.
明日の午後ティーパーティーを開きます。
Can I bring my girlfriend with me ?
ガールフレンドを連れて行ってもいいですか?
ただし、次のような場合には「take」が使われます。
例文
It looks like rain. Take an umbrella with you.
雨が降りそうだ。傘を持っていきなさい。
I'm going to take my children to Ueno Zoo next Sunday.
今度の日曜日は子供たちを上野動物園に連れて行く予定です。
This road takes you to Ueno Zoo.
この道を行けば上野動物園に着きます。
― 往復の動作を示す「fetch」 ―
ほかにも、「行って持って(連れて)くる」の意味がある動詞に「 fetch 」があります。
Fetch my glasses from the study, please.
私のメガネを書斎から取ってきてくれないか。
アメリカでは「go and fetch」とすることもあります。犬に向かって「行って取ってこい」という時は、「Go (and) fetch !」と言ったりします。
今回は以上になります。