
順番が違うからすごくわかりにくい...
このような悩みにお答えします。
本記事の内容
・英語は大事なことを先に言う
・大事なものを見つける練習をしよう
・名詞の修飾が後ろからなのに慣れよう
英語って日本語と語順がかなり違いますよね。日本人の英語嫌いの原因の1つが文法の違いです。
ここでは英語の語順について説明します。
英語は大事なことを先に言う
英語の語順には理由があります。
ここでは英語の語順が日本語と違うことについて説明します。
まずは日本語の例です。
「カバンの中の本」
「机の上のペン」
これは英語では
a book in the bag
a pen on the desk
このように逆の語順になります。
単語の組み合わせを舞台に例えると、本やペンが「主人公」でカバンや机は「舞台セット」です。
日本語では舞台セットから先に説明し、少しずつ狭めながら何がおこったかを伝えるのに対し、英語では主人公が先にくるのです。
これは文章でも同じです。「私は今朝、公園に行きました。」という日本語の文章で考えてみましょう。
「私は」と主語があり、つぎに「今朝」と時間、つぎに「公園に」という場所、最後に「行きました」という行為を伝えています。
同じ文章を英語にすると、次のようになります。
I went to a park this morning.
最初に主語のI, 次に動詞のwent がきます。
その次に行き先を示すために to a park と伝え、最後に時間を this morning と示しています。
この文でいちばん大事なのは「私は行きました」ですね。それを英語ではI went と、最初に表現しています。
英語は端的に言うと、大事なことを先に伝える言語なのです。
主人公のI went という情報を伝えたあとで、そこがどんな舞台なのか、場所・時間などを、少しずつ伝えていくのです。
舞台セットの代表的なものは、場所(位置関係)の表現、時間の表現、動詞を修飾する言葉、理由、条件などです。
例<場所>
I live in Hokkaido. 北海道に住んでいます。
例<時間>
I do exercise before breakfast. 朝食前に運動をします。
I was very shy when I was young. 若い頃はとても恥ずかしがり屋だった。
例<動詞を修飾する言葉>
I looked at him carefully. 彼のことを注意深く見た。
例<理由>
I like it because it’s easy. 簡単だからそれがすきです。
例<条件>
Please tell me if you know anything. 何か知っていたら教えてください。
大事なものを見つける練習をしよう
英語の語順のままで理解できるには「慣れ」が必要ですが、やみくもに英語を文頭から読めば慣れるわけではありません。
英語が情報を伝える順番を気にしながら、英語のインプット(もしくはアウトプット)をする練習が重要です。
文の主人公に当たる大事なものを見つける練習をしましょう。まずは日本語で大事なものを見つけて、次に大事なものから順番に英語にして、文章を作ってみましょう。
Q 「私は手にペンを持っている」
「私は持っている」が主人公で、持っているものがペンですね。
→ I have a pen in my hand
Q 「私はとても野球が好きです」
「私は好き」が主人公で、好きなものが野球ですね。
→ I like baseball very much.
Q 「私はサッカーよりも野球が好きです」
これもやはり「私は好き」が主人公です。
→ I like baseball better than soccer.
なお、日本語では「私はとても野球が好きです」と「私はサッカーよりも野球が好きです」は結構違いますが、英語では
I like baseball very much.
I like baseball better than soccer.
このように、前半部分がまったく同じです。
Q 「彼は疲れていたので寝た」
「彼は寝た」が主人公です。
→ He went to bed because he was tired.
Q 「私はオーストラリアにいたとき、彼に会った」
主人公は「私は会った」です。
→ I saw him ....
そして、「オーストラリアにいたとき」の中ではさらに「いた」が主人公なので、
→ when I was in Australia.
このような語順になるのが普通です。
なお、中学校で習う英作文では、模範解答が
When I was in Australia, I saw him.
この語順になっていることもありますが、「いつ」を強調するとき以外、通常はwhen以下は後ろにきます。
名詞の修飾が後ろからなのに慣れよう
日本語では、名刺を修飾する言葉はすべて前にきます。
速い ⇒ 車(「速い」が「車」を修飾)
速く走っている ⇒ 車(「速く走っている」が「車」を修飾)
日本で作られた ⇒ 車(「日本で作られた」が「車」を修飾)
それに対して、英語では基本的に後ろから修飾します。
修飾語が意味を限定する形容詞などだけで、短い場合には
a fast ⇒ car
このように前から修飾しますが、それは例外的です。
a car ⇐ driving fast
a car ⇐ made in Japan
修飾の仕方が前からの日本語と、後ろからの英語では待ち構え方、つまり予測の仕方が変わってきます。
日本語であれば、「1つの…」と言われたら、その後に「もの(名詞)」がくることを期待します。
「1つの赤い…」というように長くなっても、やはり「もの(名詞)」がくることを期待するのは変わりません。
「1つの赤い箱」と名詞が出てきて、「箱」の話は終わりですが英語では、
a red ⇒ box
こう言ったあとも、「箱」の話はまだ終わりません。たとえば、
a red ⇒ box (under the desk)
机の下の赤い箱
このように、後ろから修飾語がつくこともあるので、修飾語が続く可能性を期待し続けるのです。
それが、待ち構え方(予測の仕方)が違うということです。
英語の語順に慣れるということは、この待ち構え方を体で覚えるということを指しています。
まとめ
・英語は大事なことを先に言う
・大事なものを見つける練習をしよう
・名詞の修飾が後ろからなのに慣れよう
日本語と英語は言葉の並びが違うため、多くの日本人が悩んでしまうポイントです。
これに関しては上記の3つのポイントを意識して、徐々に慣れていけば、英語の思考が身につき自然と頭に浮かぶようになっていきます。まずは少しづつでも良いので、日々、英語にふれていくようにしましょう。
今回は以上になります。