英語を勉強している時、英単語の規則性や不規則性に振り回されてよく分からなくなってしまった経験はありませんか?
英単語の変化については難しいものと考えている人が結構多いような気がします。
しかし、実は英単語の変化の規則は意外に単純だったりします。シンプルにまとめてみると頭の中が整理されて「なんだ、思っていたより単純で複雑に考えすぎていたな」などと思うでしょう。考え方によってやさしくなるのです。
ここでは英単語の規則がそんなに難しいものではないことを解説します。
英単語の変化の規則は単純
基本的に、英単語の規則の主要なものは、中学生の段階でほとんど学んでしまいます。
英語で変化するのは、動詞、名詞、人称代名詞、形容詞、副詞の5つだけです。
下記で、英単語の変化の規則をおさらいしてみます。「えっ、たったのこれだけ」と、拍子抜けしてしまうかもしれません。
動詞の変化
英語の動詞には「三・単・現の(e)s」という有名な例をのぞいて、人称による変化がありません。
例外は「be」と「have」だけです。
例.
I/We/You/They play
He/She/It plays
過去形と過去分詞は、「cut」や「put」のような例をのぞいて、現在形と異なる形になりますが、すべての人称で同じ形が用いられます。
例.
break(s) [現在形]
I/We/You/They/He/She/It broke [過去形]
I/We/You/They have broken [過去分詞]
He/She/It has broken [過去分詞]
規則動詞はすべてedの語尾になりますが、不規則動詞は形をひとつひとつ覚えなければいけません。
例.
play - played - played [規則動詞]
break - broke - broken [不規則動詞]
cut - cut - cut [不規則動詞]
v-ing形(現在分詞と動名詞)は、規則的に処理できました。
英語の動詞には未来形がありません。そのため助動詞の「will」や「shall」を用いたり、「be going to-v」という言い回しを用いたりします。
(to-vはto不定詞を表します)
It will rain tomorrow.
What are you going to do tomorrow.
進行形や完了形のような複合時制も、<be 動詞+v-ing>あるいは<have/has/had+動詞の過去分詞>と、規則的に処理できました。
What are you doing.taro?
I've just finished it.
名詞と人称代名詞の変化
名詞の変化の主なものは、単数から複数への変化です。規則は単純で、<単数形+(e)s>で処理できます。
child→children、tooth→teethのような例外は、基本的な単語に多く、数も少ないのです。
もう一つ、prince→princessのように、男性名詞から女性名詞に変化するものがありました。が、これは数が限られています。
「I - my - me - mine」のような人称代名詞の変化は、規則で処理できませんが、数が極めて限られており、中学生の時に習ってしまうものです。
形容詞と副詞の変化
ともに、原級から比較級、最上級への変化があります。が、これも「good - better - best」のようなごく少数の例外を除き、規則的に処理できました。
例. 形容詞
old - older - oldest
important - more important - most important
例. 副詞
fast - faster - fastest
slowly - more slowly - most slowly
変化を恐れる必要はありません
変化と言っても、上記の例だけなのです。大したことはありませんね。
それに話すときなど、細かい変化にこだわる必要はありません。
正しい英語を話そうとして沈黙してしまうよりも、少々あやふやでも、話したほうがいいからです。どんなに日本語をうまく話す外国人でも、「てにをは」を完璧に使いこなす人はめったにいません。
例えば、次のような文。少し不備があっても、通じないということはありません。
Taro play tennis every day. (正)plays
I swim in the sea yesterday. (正)swam
Do you have a lot of friend? (正)friends
I have three child. (正)children
She's beautifuler than Akiko. (正)more beautiful
※下線部が誤り
派生変化は単語の知識で
英単語の変化には、play→playerやslow→slowlyのように、品詞の変化にともなうものがあります。
英単語の変化で面倒なものがあるとすれば、この派生変化かもしれません。規則的に処理できないことが多いからです。
接頭辞や接尾辞の知識があれば、次のようにある程度の推測がつき、記憶するのも楽になります。
例.(-er)
teach → teacher
play → player
learn → learner
例.(un-)
happy → unhappy
kind → unkind
lucky → unlucky
しかし、どんな接頭辞や接尾辞がどんな語についてどんな派生語ができるかは、文法というよりも慣用の問題になります。
「unhappy」という語があるのに「ansad(←sad)」という語がないのは、英語の慣用なのです。「dislike」があるのに「dislove(←love)」がない理由を、規則で説明することはできないのです。
それに、派生変化にともなう意味の変化を規則で説明することもできません。例えば、「lover(←love)」には「~の愛好者」だけでなく「~の愛人」という意味もあります。どうしてそんな意味になるのか、規則では説明できないのです。
派生語は規則で機械的に覚えるのではなく、ひとつひとつの単語の知識として覚えるようにしましょう。
いかがでしょうか?
今回は英単語は複雑に変化しているように見えて、実は変化の規則は意外と単純だという解説をさせていただきました。
英文法の基礎は中学の3年間でほとんど習ってしまうものですので、英語をもう一度おさらいしたいという方は中学生の英語を勉強し直して基礎力を上げるのが英語力UPの近道になります。市販の基礎問題集などを利用して英語力を向上していきましょう。
今回は以上になります。