Seeing is believing.
見ることは信じること → 百聞は一見にしかず
動名詞とはその名のとおり、動詞の性質を持ちながら名詞の働きをするものです。まぎらわしいのは、形容詞のように名詞を装飾する用法があるということ。
同じ~ingの形で形容詞の働きをする現在分詞と混同しないよう、違いを理解しなければなりません。
動名詞とはどういうものか
動名詞とはどういうものかをつかむために、まず次のふたつの文を比較してみましょう。
She is reading a book now. ———①
彼女は今本を読んでいる
Her hobby is reading books. ———②
彼女の趣味は本を読むことだ
形は同じ~ingですが、①はbe動詞+~ingで進行形を作っていますから、このreadingは現在分詞。「~している」の意味を表します。
では、②はどうでしょうか。「読む」という意味で目的語booksをとり、動詞の性質をもつ一方、「~すること」という名詞の働きをしています。このreadingが動名詞です。
働きは名詞と同じ
動名詞は名詞と同じように、文中で主語、目的語、補語の働きをします。
例文
Driving a car is not so easy.(主語)
車を運転することはそんなにやさしいことではない
I like working in this environment.(目的語)
私はこの環境で働くのが好きだ ※environment 環境
Teaching is learning(主語/補語)
教えることは学ぶこと
動名詞の形容詞用法
動名詞の形容詞用法
動名詞は、形容詞のように名詞を修飾することがあります。いくつか例をあげてみましょう。
a dining room(食堂)
a waiting room(待合室)
living expenses(生活費)
writing materials(文房具)
a looking glass(鏡)
a frying pan(フライパン)
これらの動名詞に共通する働きについて、「a dining room」を例にとって考えてみましょう。
「dine」は「食事をする」という動詞で、「a dining room」は「食堂」つまり「食事をするための部屋」です。ということは、動名詞は「~するための」という用途や目的を表しているわけです。
現在分詞と動名詞の形容詞用法を比べる
現在分詞と動名詞の形容詞用法を比べてみましょう
a smoking room ———①
a smoking stove ———②
①は「喫煙室」つまり「タバコを吸うための部屋」の意味で動名詞、②は「煙を出しているストーブ」の意味で現在分詞です。動名詞は用途や目的を表し、一方、現在分詞(この場合は自動詞)は「~している」という状態を表しています。
もうひとつ例をあげてみます。
a sleeping car ———①
a sleeping baby ———②
①は「寝台車」の意味で動名詞、②は「眠っている赤ちゃん」の意味で現在分詞です。
発音する場合も両者は異なります。「動名詞+名詞」は動名詞のほうにアクセントを置き、「分詞+名詞」は同じくらいの強さで発音します。
動名詞の意味上の主語を示したいとき
動名詞の意味上の主語を示したいとき、人称代名詞の場合には所有格を用い、ふつうの名詞の場合は―'sをつけます。
例文
Would you mind my opening the window?
窓を開けてもよろしいですか
窓を開けるのはI(←my)「私」ということです。
I'm sorry for his uncle's being sick.
彼のおじさんが病気だなんてお気の毒に
ただし、口語では所有格より目的格で意味上の主語を表すことが多くなっています。同じように、ふつうの名詞にも―'sをつけない傾向にあります。
例
I don't like him(his) giving me orders.
私は彼に命令されたくない
→命令するのは「彼」
He was proud of his son('s) being a Harvard graduate.
彼は息子がハーバード大卒であることを誇りに思っていた
→ハーバード大卒であるのは「彼の息子」