「see」「hear」「feel」といった知覚・感覚を表す動詞を「知覚動詞」といいます。〈動詞+目的語+原形/~ing〉という使い方があり、これがなかなかのくせ者です。
受動態にする場合も注意が必要です。意外とよく使われるのでしっかりマスターしておきましょう。
目的語のあとに原形/~ingがくる用法
see、hear、feelのほか、watch、notice、observeなども知覚を表します。
I saw him.
私は彼を見た
これは他動詞としての、ふつうの使い方ですね。
目的語のあとに原形/~ingがくる用法
◆〈知覚動詞+目的語+原形〉
上の文を「私は彼『が昼食にでかけるの』を見た」とすると、次のようになります。
I saw him go out for lunch.
まとめると次のようになります。
see 見る
hear +目的語+原型 → (目的語)が~するのを 聞く
feel 等 感じる 等
They watched the delegates leave the room.
彼らは代表者たちが部屋を出るのを見ていた ※delegates 代表
◆〈知覚動詞+目的語+~ing〉
今度は、見たり聞いたりする対象である目的語が、ある動作をしている最中の場合です。
「私は彼『がとなりの部屋で課長をしかっているの』を見た」は、次のようになります。
I saw him reprimanding the section manager in the room next door.
※reprimand ~をしかる
まとめると次のようになります。
see 見る
hear +目的語+~ing → (目的語)が~しているのを 聞く
feel 等 感じる 等
She felt the building shaking in the earthquake.
彼女は地震で建物が揺れているのを感じた
原形と~ingの違い
① I saw him cross the street.
私は彼が通りを渡るのを見た
② I saw him crossing the street.
私は彼が通りを渡っているのを見た
②が通りを渡っているある一場面を見たことを表すのに対し、①は通りを渡る一部始終を見たことを表します。
受動態の場合
〈知覚動詞+目的語+原型〉が受動態になると、原形ではなくto不定詞を用います。
They heard the company president say that he would soon retire.
→The company president was heard to say that he would soon retire(by them).
彼らは、社長がまもなく引退すると言っているのを聞いた
見たり聞いたりした人がはっきりしないときに受動態がつかわれるので、by…はふつう省略されます。
チェック
「smell」、「find」、「note」、「perceive」、「imagine」なども知覚動詞ですが、〈知覚動詞+目的語+~ing〉の形のみをとります。
The manager found him writing a personal letter on the computer.
部長は、彼がコンピューターで個人的な手紙を書いているのを見つけた
I can't imagine him doing such a thing.
彼がそんなことをしているところは想像できない