英会話

通じないカタカナ英語を通じる英語に直す【英語風な日本語】

 

現代の日本社会のコミュニケーションはカタカナ英語を抜きにしては成り立たないようです。

 

しかし、あなたがふだん使っているカタカナ英語の表現、たとえば「ワンパターン」は英会話では全く通じません。「ジョークだよ」を英語にしてみて下さい。「It's  a  joke」だなんて思っていませんか。

 

実際、今の日本には「通じないカタカナ英語」があちこちにあふれ、氾濫している状況です。

 

こうしたカタカナ英語を英語では何というのか、知りたいと思いませんか。

 

今回は日常よく使われているカタカナ英語を実際の英会話で使われている言葉に言い換え、通じる言葉にしていきます。

 

 

 

 

ドンマイ   Don't  worry

 

「ドンマイ」は日本人がよく使っているフレーズです。日本国中、老若男女問わず使われています。

 

しかし外国人は「ドンマイって何?」と首をかしげてしまいます。よく言われている「Don't mind」という表現は、英語にはありません。

 

 

Never  mind.

何でもない・気にとめないで。

 

 

Don't  mind  me.

私のことは気にしないでください。

 

 

 

こうした表現ならあるのですが、「Don't  mind」という表現はないのです。

 

といっても、日本語の「ドンマイ」は、「Never  mind」とも違います。Never  mindは、「たいしたことじゃないから気にしないで」というニュアンスで使うことがあるからです。

 

 

A:  What  did  you  say?

いまなんて言った?

 

B:  Never  mind.

何でもない。

 

 

このように用いられます。

 

「いまなんて言った」に対して、「ドンマイ」という日本人はいません。ですが、たまに辞書には「ドンマイは、never mind」なんて書かれていますがちょっとおかしいです。

 

多分、これは「Don't  mind.という表現はないけど、Never  mind.ならある」という単純な発想で置き換えられたミスではないでしょうか。

 

 

A:  Sorry.

ごめん

 

B:  Don't  worry.

ドンマイ

 

 

ドンマイにいちばん近い表現は、

Don't   worry. (気にしないで)です。

 

A:  I'm  really  sorry.

ほんとうにごめんなさい

 

B:  Don't  worry  about  it.

ドンマイ

 

このように、後ろにabout  itを付け加えて、「Don't  worry  about  it(気にしないでいいからね)」といえば、より丁寧に聞こえます。

 

 

 

ランチする   have  lunch

 

「ランチする」という表現にいちばん近いのは、「have  lunch」です。

 

A:  Let's  have  lunch  sometime  soon.

今度、ランチしよう。

 

B:  Sure.  When?

いいよ。いつ?

 

A:  How  about  a  week  from  today?

来週のきょうはどう?

 

B:  Sounds  good.

いいよ。

 

 

ランチを「食べる」だから、eatを使って、「Let's  eat  lunch  together.」とやってしまう日本人が多いと思いますが、文法的には正しくても、このような言い方をするネイティブスピーカーはいません。

 

eatは「食べる」という動作そのものをあらわしてしまうため、これだと「ランチを(黙って)一緒にもぐもぐ食べようか」になってしまいます。ニコニコとおしゃべりしながら食べるという楽しみの要素がぜんぜん感じられません。

 

楽しんで「ランチする」のが「have  lunch」で、楽しみ抜きで「昼飯を食べる」のが「eat  lunch」になります。

 

ですから、昼食を「とる」や「とらない」という行為それ自体を問題にする場合は「eat  lunch」とするのが普通です。

 

 

He  wasn't  feeling  well, so  he  couldn't  eat  his  lunch.

彼は気分がすぐれなかったので、昼ご飯を食べられなかった。

 

医者が患者に助言するようなときもeatを使います。

 

Please  eat  more  vegetables.

もっと野菜を食べるようにしてください。

 

これ以外にも「do  lunch(一緒にランチする)」という表現もあります。

 

 

ジョークだよ   Just  kidding

 

「ジョークだよ」を、「It's  a  joke」と言ってしまう日本人は多いと思います。これだと「それはひとつのジョークだ」になってしまい、日本語の「ジョークだよ、ジョーク」とはかけ離れた言い回しになってしまいます。

 

 

I'm  just  kidding.

冗談だよ。

 

 

I  was  just  kidding.

ジョークだよ。

 

 

これが日常会話で頻繁に使われるフレーズです。「kid」は「からかう」という意味の動詞です。

 

もちろん「joke(ジョークをいう)という動詞を用いていい表すこともできます。

 

I'm  just  joking.

冗談だよ。

 

I  was  just  joking.

ジョークだよ。

 

冗談をいったあとに「なんちゃって」などおどけたい時は、

 

Just  kidding.

ジョークだよ、ジョーク。

 

Just  joking.

ジョークだってば。

 

がぴったりあいます。I'm/I wasの部分を省略して用いるのです。逆に、「冗談を言っているの?」であれば、

 

Are  you  kidding?

それ、ジョーク?

 

Are  you  joking?

それ、ジョーク?

 

No  kidding?

それって冗談だよね

 

などがよく使われます。

 

更にいうと、「おもしろいジョークだね」を「That's  an  interesting  joke.」などという人がいますが、これだと「それは興味深いジョークだね」になってしまいます。

 

That's  a  funny  joke.

おもしろいジョークだね。

 

こんなふうに「funny(滑稽な)」という形容詞を使うのです。interestingは「へぇ~」と感心するとき、funnyは、「プッ」と吹き出すときの「おもしろい」にあたる単語だと覚えておけば良いでしょう。

 

 

 

ケースバイケース   It  depends

 

英語の「case  by  case」は、「一件一件」です。たいていは、「on  a  case-by-case(個別に・そのつど)」のような形で用いられます。

 

Doctors  decide  the  treatment  on  a case-by-case  basis.

医者は治療法をそのつど決定します。

 

ところが、日本語の「ケースバイケースだ」は、「時と場合による」と言い換えられるため、英語のcase by caseが適用されるケースはほとんどありません。

 

また、日本人が口にする、「It's  case  by  case」という英語表現もありません。

 

Whether  or  not  I  go  skiing  depends  on  the  weather.

スキーへ行くかどうかは天候次第だ。

 

「それは場合による」とか「状況次第だね」と言いたいときは、That  depends./It  depends.という表現を用います。

 

A:  Do  people  in  Japan  wear  masks  in  early  spring?

日本にいる人たちは春先にマスクをするの?

 

B:  That  depends.

事情によりけりだね。

 

上記の「That  depends」は、「Tha t depends  on  each  individual  case.」のことで、「個々の事情による」の意味で使われています。

 

A:  Can  I  ask  you  a  favor?

お願いがあるんだけど?

 

B:  It  all  depends.

内容次第だね。

 

このIt  all  depends. は It  all  depends  on  the  favor.のことで、「お願いごとの内容による」と言っています。また、上の文のように強調の「all」をあいだに入れることもよくあります。

 

A:  Can  I  go  with  you?

一緒に行ってもいい?

 

B:  It  depends.

こととしだいによるね。

 

A:  On  what?

どういうこと?

 

B:  On  whether  you  can  keep  your  mouth  shut  during  the  movie.

映画の最中、静かにしていられるかどうかということさ。

 

dependはonを後ろにおくと、depend  on  A(Aしだいだ)という意味になります。

 

 

キャンペーン   a  special  offer

 

英語の「campaign」は、「ある目的のために組織化された大規模プロジェクト」のことです。

 

まっさきに頭に思い浮かぶのは、「Obama's  presidential  campaign(オバマの大統領選へ向けての選挙運動」や「the  government's  anti-smoking  campaign(政府による禁煙運動)」などです。

 

日本語の「キャンペーン」は、「ビッグキャンペーン」や「サマーキャンペーン」といった使い方に見られるように、「大がかりな宣伝」とか「期間限定の特別サービス」といった意味合いで使われています。

 

その場合の「キャンペーン」は、英語の「special  offer(特別サービス)」に相当します。

 

A:  I'm  thinking  of  joining  the  gym.  Want  to  join  together?

ジムに通おうと思っているんだけど、一緒に入らない?

 

B:  I  heard  it's  expensive.

あそこ高いそうだよ。

 

A:  It's  not  too  bad,  and  they  have  a s pecial  offer.  If  you  join  with  a f riend,  each  person  only  pays  half  price  for  the  first   year.

そうでもないよ。それに今キャンペーンやっているの。友達と入会すれば、最初の一年は二人とも半額だよ。

 

special  offerは、「(店などが)特別なサービスを提供すること」で、日本語の「キャンペーン」はほとんどこれにあたります。

 

あるいはspecial  promotion(特別キャンペーン)やsale(セール)などでいいあらわすこともできます。

 

 

 

ナイーブな   sensitive

 

日本語の「ナイーブ」は、繊細で傷つきやすいという意味で使われることが多いようです。その意味では、英語の「sensitive(傷つきやすい)」に近いといえます。

 

Don't  pick  on  him!  He  is  sensitive.

彼をいじめちゃだめだよ! 彼はナイーブだから。

 

また、「情にもろい人」や「感傷的な人」を指していうこともあります。英語ではそうしたすぐに涙ぐんでしまうような人のことを「a  softie(情にもろい人)」と呼んでいます。

 

いっぽう、英語の「naive」は、もっぱら「inexperienced(経験の浅い・世間知らず)」の意味で使われます。

 

She  was  a  naive  girl  of  12  when s he  first  started  modeling.

はじめてモデルの仕事を始めたとき、彼女は世間知らずの12才の少女だった。

 

naiveは考えや態度などが、「幼稚で」とか「単純で」あることを意味する軽蔑の言葉なのです。世間知らずの人をあざ笑うときによく使われます。

 

A:  Your  dad  is  against  the  marriage?

あなたのお父さん、結婚に反対なの?

 

B:  Yeah.  He  thinks  we  are  too  young  and  naive.

そうなの。私たちが若すぎて幼稚だと思っているのよ。

 

だから、gullible(だまされやすい・ウブな)の意味で使われることもあります。

 

I  never  should  have  trusted  him.  I  was  so  naive.

彼らなんて信用するんじゃなかった。そのころ私はウブだったの。

 

naiveは、大人が持つべきホンネとタテマエの違いが分からなかったり、ものごとのオモテとウラの区別がつかない人をけなすときに使われるものです。

 

いずれにしても、naiveがほめ言葉として使われていないということに気をつけてください。

 

 

ムードのある   romantic

 

「mood」は、「機嫌」を意味します。

 

She  is  in  a  good  mood  today.

彼女は今日は上機嫌ね。

 

He  is  in  a  bad  mood  today.

彼は今日は機嫌が悪い。

 

moodはまた、「一時的な気分」をあらわします。

 

A:  What  should  we  do  for  dinne r tonight?  I'm  not  really  in  the  mood  to  cook.

今夜の夕食はどうする? 私、料理したくないの。

 

B:  Let's  order  in.  Are  you  in  the  mood  for  pizza  or  Chinese?

何かとろうよ。ピザか中華はどう?

 

「moody」は「不機嫌な」という意味の形容詞です。

 

She  finally  broke  up  with  him.  He  was  just  too  moody.

彼がいつも不機嫌だったので、とうとう彼女は別れてしまった。

 

日本語の「ムーディー」の使われかたを見てみると、「ムードのある」、つまり「ロマンティックなムードのある」という意味で使われていることが多いことに気づきます。

 

上の英文で見たように、英語の moodyは、「不機嫌な」であり、「憂うつそうな」という意味です。

 

ですから、「ムーディーな雰囲気のレストラン」を「a  moody  restaurant」とすることはできません。

 

He  took  me  to  a  romantic  restaurant.

彼はムードのあるレストランへ連れて行ってくれた。

 

このように、日本語の「ムードのある」は「romantic(ロマンティックな)」に変えていく必要があります。

 

また、日本語では、「彼はムードメーカーだ」のように言いますが、英語のmood  makerは人間には使われず、ムードを出すための道具や飾りを連想させるものになります。

 

 

 

ファイト!   go  go !

 

「ファイト!」は大きな誤解を生む表現です。

 

もしネイティブスピーカーが、「Fight!  Fight!  Fight!」と叫んでいる人たちを見かけたら、fistfight(殴り合い)をはやし立てているのだと思って、警察へ通報するかもしれません。

 

There  was  a  fight  on  the  school  playground.

校庭でケンカがあった。

 

fightはふつう、physical  fight(殴り合いのケンカ)もしくはargument(口げんか)を暗示する単語です。

 

でも、私たち日本人がこうした間違いをおかすのは、仕方のないことなのかもしれません。というのも、fightはfighting  spirit(闘争心)の意味で使われることがあるからです。

 

おそらく、日本語の「ファイト!」はこのあたりからきたのだろうと思われます。しかし、かけ声としての「Fight!  Fight!  Fight!」は、「ケンカだ!ケンカだ!ケンカだ!」という意味になってしまいます。

 

では、選手を応援するときのかけ声はどういったらいいのでしょうか。

 

Go,  Paul!

ファイト、ポール!

 

このように、Go!(行け!)と声をあげます。

 

Go,  go,  go!

ファイト!・がんばれ!・行け!

 

こんなふうにgoをくりかえすこともよくあります。 選手が疲れ気味だったら、

 

Come  on,  George!  You  can  do  it!

ファイト、ジョージ! がんばれ!

 

You  are  almost  there!  Don't  give  up!

もうちょっとだ! あきらめるな!

 

勝てそうだったら、

 

Go  for  it!  You  can  do  it!

がんばれ! いける、いける!

 

などと叫びます。

 

たまに、競技中に「Do  your  best!(最善を尽くせ!)」と叫んでいる人を見かけますが、おそらく選手側は、

 

I  am  doing  my  best!

最善を尽くしているに決まっているじゃないか!

 

と、こんな感じでつぶやいているでしょうね。

 

 

今回は以上になります。

 

 

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