一般動詞の疑問文や否定文を作る際に大活躍する助動詞「do」ですが、守備範囲はそこにとどまりません。
「do」という単語は短くてシンプルな言葉ではありますが、実に便利で様々な使い方出来るものなのです。
例えば、下の例文のように動詞を強調する際にも使えるのです。
例
I feel pretty lucky today.
今日はとても幸運だと感じる
I do feel pretty lucky today.
今日はとても幸運だと確かに感じる
これは、「feel」を「do feel」とあえて2語にし、しかも「do」の部分を強く読むことによって、「確かにfeelする」という印象をはっきりと与えます。
今回は一般的な助動詞の「do」ではなく、動詞を強調する「do」や省略の意味を持つ「do」の紹介をしていきます。
1.「確かに~したのに」と不本意な気持ちを表したい時
「強調」の助動詞doの持つ「確かに」という感覚からは、大きく分けて2つの用法が派生します。1つ目がこちら。例えば、「確かに窓を閉めろと言ったじゃないか!」と言いたければ、
I did tell you to shut the window.
これは、「言った言わない」の言い争いや、「確かに~したのに(なんで・・なんだ)!」という不本意な気持ちを相手にぶつける時に使います。
2.「ぜひ~して下さい」と強く勧めたい時
今度は「1」とまるで正反対とすら言えるのがこちら。
Do come and see me tonight.
今夜ぜひ会いに来て下さい
日本語の「ぜひ遊びに来てくださいね」は、言い換えれば「『確かに』来てくださいね」ということ。このように熱烈に何かを勧める時にも使えます。なので、強調の「do」を見たときに「言い争いだ」と決めつけないように注意が必要になります。
3.「私が」と主語だけで答えれば十分な答えを返したい時
英語の世界で、一般動詞を含む句の省略を一手に引き受けるのが「do」です。日本語でも同じ言葉を繰り返し使うことはしませんよね。英語も同じで「do」が繰り返しを省略する役割を担います。
例えば、
Who messed with my computer?
誰が私のコンピューターをいじったの?
と聞かれたとします。
それに対して「私があなたのコンピューターをいじりました」とは文が長くて言いませんよね。「私です」「私がしました」で十分なはずです。
こんな時には英語でも「I did.」ですませます。
4.「私もです」とあいづちを打ちたい時
これは「3」のバリエーションの1つで、例えば、
I love japanese food.
私は日本料理が大好き
と相手が言ったとします。あいづちを打つ場合、「私も日本料理が好きです」とオウム返しはしませんよね。「私もです」「私もそうです」くらいですませるものです。
この「私もそうです」にあたるのが、「So do I.」です。動詞句を「do」で置き換えています。
5.比較などの中で動詞句のくり返しを避けたい時
例文
Taro sings well.
太郎は歌がうまい
Taro sings as well as you do
太郎は君と同じくらい歌がうまい
このように比較するときにうまく省略を使わないとくどくなってしまう言葉は「do」で置き換えてすっきりさせます。
以上のように基本的な言葉の「do」もいろいろな使い方があります。表現方法をたくさん覚えていくと幅が広がり会話もよりスムーズになるのではないでしょうか。
今回は以上になります。