多義語の代表のような「すみません」には、大きく分けて真逆の意味・使い方が2つあります。
1つは自分の行為で人に迷惑をかけたときに「申し訳ありません」と謝る使い方。もう1つは何かしてもらって「ありがとうございます」とお礼を言う時です。
英語ではそれぞれ「 I'm sorry 」と「 thank you 」が対応します。この2つを混同しないよう、使い分けをはっきりさせましょう。
謝罪のすみません
自分の非礼・間違いを詫びる「すみません」
I'm sorry. すみません。
Excuse me. すみません / ごめんなさい / 失礼。
Forgive me. すみません / 申し訳ありません(重大な場合)。
Pardon. すみません。
感謝のすみません
相手に何かしてもらったことに対する「すみません」
Thank you. ありがとう(=すみません)。
Thank you for… …していただいて、ありがとう(=すみません)。
※ 「いつもすみません」のようにあいまいな挨拶の場合、thank youは使えません。「何に対して感謝しているのか」があまりにも漠然としているからです。
「 Hello ! Good to see you 」など単なるあいさつが「いつもすみません」に相当します。
「すみません」の会話例
― スーパーのレジで —
レジの人:That will be $35.
35ドルです。
あなた: Here you are.
はい。
レジの人:This is only $25
お客さん、これ25ドルしかないです。
あなた: Oh ! I'm sorry !
あっ、すみません!
― 映画館で席探し —
あなた:(座っている人の前を通りながら)Excuse me... pardon... excuse me.
すみません… すみません… すみません。
― コンサートで席を取ってもらった —
一郎: Taro, I'm over here.
太郎、こっち。
太郎:Ichiro, thanks for saving me a seat !
一郎、席を取ってもらってすみません!
一郎:I knew you'd be late.
遅刻すると思ったので。
太郎:I appreciate that.
助かりました。
― オフィスでの気遣い —
あなた:The meeting starts in 10 minutes.
会議はあと10分で始まります。
同僚: I know, but I'm not ready.
分かっているけど、準備がまだ終わってない。
あなた:Shall I make some copies for you ?
コピーしましょうか?
同僚: Thanks !
すみません。
最後に
謝罪と感謝の両方に使える「すみません」に対応する「 I'm sorry 」と「 thank you 」は、まったく別の英語表現です。
この2つを混同して、親切にしてもらった人に「 I'm sorry 」と言うと相手は困惑してしまいますので、注意しましょう。
どちらを使うのか分からない時は、「すみません」をまじめな顔で言わなければならない状況なら「 I'm sorry 」だし、自然に笑顔が浮かぶ状況ならば「 thank you 」が適切になります。
今回は以上になります。