英語のリスニングに苦手意識のある方は結構多いようです。「単語を区切って話してもらわないと何を言っているのか分からない」と。
ですが、リスニング能力は「聞く・話す・読む・書く」という中では、いちばん上達しやすい部分と言われています。
話すというスキルに関して言えば、海外タレントのように面白いことを言ったり、人々の心を揺さぶるようなスピーチができたりするようになるのはかなり難しいです。
同様に海外作家のように素晴らしい文章を織り成していくのもネイティブではない人間には難しいです。
でも、聞くということに関しては、ある程度の練習を積めばネイティブ並みになれると思います。TVの音声が聞き取れるようになったり、会議などで人の発言が聞き取れるようになったりします。
今回はリスニングについて、効果的に勉強ができるコツを紹介します。
とにかくたくさん聞いて、声に出す!
聞く訓練で効果的なのは、その場で聞こえたまま言ってみることです。CDやDVD等を利用して、聞こえてきたものをそのままリピートすることが地道でもいちばんの近道です。
聞く訓練は「英語用の耳を鍛えていく訓練」。生まれてから今まで、日本語用の耳になっていますから、英語を聞くための耳を鍛える筋トレだと思って下さい。
もちろんすぐには英語用の耳にはなりません。しかし、何日、何週間、何か月か続けていけば着実に力はつきます。続けることが大切です。
ポイントは「声に出す」ということ。ただ、聞き流すだけでは力になりません。とにかくたくさん聞いて、それを声に出す。
地道な作業ですが、これが聞く力をつける一番の方法です。
聞いて楽しくなる教材を選ぶ
CD・DVD教材の利用の仕方です。まずは教材の選び方ですが、英語と日本語両方のテキストがついているものがおすすめになります。
ビジネスで使う方であればスピーチ集などが良いでしょう。アメリカ大統領選の演説やアップルのスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行った演説あたりは有名です。
他にも有名俳優や政治家の演説などCDや、インターネットで配信されているものがいくつもあるので、そのうちのひとつを選んで、繰り返し聞いてみましょう。
あくまでも、自分の興味のあることを聞くのが楽しく続けるコツになります。仕事で使うなら仕事の英語。アートに興味があるならアートの英語。興味のないものでは長続きしません。
教材はひとつを徹底的に利用しつくそう
教材はいくつも買う必要はありません。というよりも、教材はいくつも買ってはいけません。ひとつの教材を徹底的に利用しつくすことが英語上達の近道です。
CD等の教材には4通りの使い方があります。
① 聞きながら文章を目で追う
② 聞きながら文章を同時に声に出して読む
③ 文章を見ないで聞こえてくる音をマネて発音する
④ 聞きながら書き取りする
④まで行くのは高度になるので、①~③を繰り返し、繰り返し行って下さい。
ポイントは先に日本語訳を読んで、中身を理解しておくこと。「英語を読む前に意味を理解しちゃっていいの?」と疑問に思うかもしれませんが、日本語で理解していないものをいきなり英語で理解しようとするのはかなり高度です。
初心者は、まず日本語を読んで意味を理解してから行った方が良いです。
英語のシャワーだけでは難しい
多くの人が、なるべくラクをして英語を身につけようとします。「効率的なやり方」はあると思いますが、「ラクをしてうまくなる」ということは無いと思います。
「聞き流すだけで英語がペラペラになる」という教材もたまに見かけますが、はっきり言って、聞き流しているだけでは力はつきません。鳥のさえずりはいつまでたっても鳥のさえずりです。
例えば、中国語やトルコ語など、なじみのない言葉を聞き流しているだけでは、分かるようにはならないでしょう。
「シャワーのように英語をずっと聞きなさい」ということも言われますが、ただ聞くだけでは意味がありません。
聞いた言葉を自分が聞こえたとおりに繰り返しアウトプットできるようになることが大切です。
たとえ意味がわからなかったとしても、その聞こえている音を自分で復唱するところから始めてみましょう。
映画を英語字幕で見る
洋画を字幕なしでみられるようになるには、相当の時間がかかります。さまざまなトピックがありますし、英語のアクセントも映画によってさまざまです。
まずは、1つの映画をピックアップして、「その映画の内容を字幕なしで分かるようになりたい」という目標にした方が挫折しないでしょう。
好きな映画を1つ選んだら以下の手順で進めてください。
まず、その映画を日本語字幕付きで見ます。日本語訳付きの台本が書籍として売っているものもありますので、それを読むのも一つの手です。
そしていったん内容を理解した上で、今度はその映画を英語字幕で見ます。字幕を見ながらせりふを一緒に言ってみるのも、楽しみながらアウトプットできますので、英語の上達が早まります。
そこまでやってから、今度は字幕なしでその映画を見てみましょう。
始めのうちは完璧に全部わかるようになるのは難しいですが、繰り返していくことで、だんだん英語のまま聞き取れる箇所が増えていくはずです。
最後に
最後に、英語での会話の中で、相手の言っていることが聞き取れなくても、あなたのせいではありません。ただ、聞き取れなかっただけです。だから聞き取れなかったら聞き返しましょう。
日本語でも聞き取れなかった時は聞き返します。当たり前のことでも、意外にみんなやっていない大切なポイントです。
相手の言っていることが分からないまま話をあいまいに進めるのではなく、聞き取れなかったら聞き返す、を英語でも遠慮なくやってみましょう。
今回は以上になります。